思ったこと、感じたこと、レポといえないくらいのこと、解釈、考察をひっくるめて感想としています。
全部一個人の感想です。なんなら私の備忘録的な感じで書いてます。
10月15日(土)18:30 開演、シアターコクーンでの公演を観て。
言葉などは意訳。
一応流れ順に書いてるつもりなんですけど、メモが注釈で戻りまくってるので正しい順番がわからなくなっています。
雑居ビルの一室の場面。
梶の言葉、
そうなんだよ、俺って優しいんだよな。
とか、普通暴力まではいかないけど、三日間で二回目の遅刻であんだけ怒ってたり、しかも
俺に謝るんじゃなくてみんなに謝るんだよ
とか言ったり、なんかそこで梶の人間性がもう出ていたのかなと思った。
元政治家が書いた獄中記の、障害者は生まれた時から罰を受けているという話のときに、普通の家庭に生まれ普通に育って普通に大学行って普通に就職した梶が共感したと話していたのが、幼少から一般的な社会に違和感を感じていた、梶の社会に対しての感じ方が現れているなと思った。
社会への復讐だと言っているときもあった。
血いついちゃった?クリーニング出して領収書もらってきたらこっちで出すから。
的なことで
そういうのはちゃんとしたいからさ。
って言ったのまじで梶の人間性が出てると思う(2回目)
めっちゃ大きい声出して指導してたのも、それは自己のためだけじゃないのが後々の発言からわかった。
真鍋が
男だろ!
って言ったとこには、
男女っていうのはさ、コンプライアンス的に
って言ってた梶だけど、殴ってる時点で諸々アウトでは…となってちょっと面白かった。
ボーリング場に場面が変わり、
梶が出てきて座るんだけど、脚細…長…くるぶし見えてんのかっこよ…ちらちら揺れるネックレス良…とか思ってたら(オタク)立ち上がった瞬間に、いやスタイル良!!!って思っちゃった。
脚開いて座っててその間にずっとクラッチバッグみたいなの持ってて良かった。すみません手が好きです…。(オタク)
でそこで、辺見が梶の家族の話を始めて
なんで知ってんすか
って言うと、なんかあったときのために(ようは脅しとかで使えるようにってことで)って返されてた。
そこで若干、梶が
そんな、この仲じゃないですか、
みたいな感じを出したときに辺見が
いや人間みんな信じてないから(梶だけってことじゃないよ)
的なこととか言ってた時点で、今思えば梶の辺見に対する信用がちょっと揺らいだのかな、もしかして、と思った。
次に、実家に帰るんだけど別に歓迎されてる訳でもなく、なんなら話しかけても返ってこないみたいな
皆思い思い喋ってるだけ、みたいな感じがして、そこで梶が話を聞いてるんだけど
人の名前が出てきても知らない感じで梶が
佐竹さん!?とか寿司屋の○○さん!?(名前忘れちゃった)とか
コンビニの話のときに
昔はクリーニング屋だったよね、とか
煙草も前はハイライトだったもんね、とか
過去のことを言っていてなんだか寂しかった。家族の中で時が止まっているというかそんな寂しさを覚えた。
梶が母にどこにいくの?と聞いて、トイレって答えられたあとに
父も聞かれると思って先に散歩って答え、
それと泊まれるなら泊ってけ。母さん喜ぶからな
って言ったの夫婦なんだよな~。不調和に見えても。
そのあと姉が帰ってきて
誰もいないわけ?!
ってイライラしながら言うお姉さんにタイミングを何度も窺いながらやっと
俺はいるけど
って言えたとこ、なんか家族として認識されてないような反応されてて胸が締め付けられた。
話しかけるも、皿洗いしながらずっと無視されてた。意図的かどうかは分からん。
辺見さんから、甥は中学生でバドミントン部だということは聞いたから知ってるのに
中学生?何部なの?運動部?とか聞くの、うわ~って心がなったし
急に話しかけられたと思ったら、
コロッケを70円から90円に値上げするの客観的にどう思う?
って、この"客観的"が姉の口癖みたいなものかと思っていて(この前にやたらと事実をとか言っていたから)
ただ客観的な意見を聞きたかっただけかもしれないけど、弟とか関係なく客観的って言われたのが今までの流れもあってなんか存在が無視されてる?とか思っちゃった(考えすぎ?)
でも梶も、え?みたいな顔してたし。(そう見えただけ?)
ただ、全体的に溶け込めてなくて、居場所が定まらない感じがあって
(いる場所がなくて、リビングの変な位置に突っ立ってたり、ソファのひじ掛けに腰掛けてたり)
表情はへらへらしてたように見えた。
家にはシャツだして帰ってました。(オタクより)
次に、屋上でBBQしてる場面になって
若林がヤクザの息子だからって仕事せずBBQしてることにイラついて帰るという梶を引き留めて座らせようとするんだけど、
あいつら(研修生)に成果を出させてやりたい
って言っていて、研修生が一生懸命やっているなか、やっぱり若林だけ悠々としてることに怒りを感じて、殴っちゃったり椅子で首絞めようとしたりして、
もうやっていけない。一から始める
的なことを言って去っていった。
猫ちゃん捜し途中の沿道に移ったとき
猫の名前が最初、丸ちゃんに聞こえて
え!?どんなお遊び!?って思ってたらマロンちゃんだった。
マロンちゃんがいなくなったから、一緒に捜してあげる梶優しい~(まだマロンちゃんがいなくなった理由を知らない私)
父母の痴話喧嘩、姉からしたら呆れてたんだろうけど、梶の表情は微笑ましそうに見えた。
いなくなった理由が、知らない人(梶が家に帰ったから)が来たから
→梶が、俺のせいかも(だわ)(まあここはのちに)
いや父が網戸開けっ放しにしていたから、という家族。
そして父と二人になって、梶が何か言い出そうとするんだけど
あのさ…。遮られ、俺さ…。遮られ。
そこで梶は何を言いたかったのか。むきぃ~~~~~~~。
そのあと真鍋に電話をしていて、声が明るく面白がっているようで(対人用みたいな梶のデフォルトの喋り方)、
猫ちゃんが梶のマンションのドア前で死んでいた(辺見に殺されていた)話をポップそうにしていたから
私は、え、さっきの微笑みは自分のせいなのに、父のせいだと思って言い争ってる父母を見て笑ってたってこと?とまで思うんだけど(考えすぎ?)次で全くそんなことではなかったことがわかって良かった。
電子タバコ出てきたときに内心キャ~~~吸うの!?吸うの!?ってめちゃテンションあがった。(私だけじゃないはず)煙吐くのかっこよかった。(オタク)
姉弟の会話、なんか自然でよかったな。姉が弟のことを心配してきいてるのか興味なのかどっちもなのか。渋谷区のマンション10階に住んでてベンツに乗ってる梶くん。話してるとき楽しそうだった。これがゆくゆく辺見への感情に拍車をかけたのかもしれない。
事務所に戻って研修生が仕事してる場面で
真鍋が、
梶さん!
って声かけたのが望月によって遮られて、ここで真鍋が何か伝えられていたらその先が変わっていたのかなと思った。
詐欺で120万騙し取ったのになぜか望月さんに良かったね…と思ってしまった。電話してる時も上手くいけ!って思っちゃってた。今思うと犯罪なのに内情を知ってしまうことでそっちになびいちゃうことが、我ながら恐ろしい…。
研修生への声かけで
なんにでもなれるんだよ!
なんて強い言葉だけど、梶の人となりを知ってからだと激励にしか思えない。
あなたも、何者でもなくて何でもなれると思えてた時期があるのか。今の梶は、もう何者にもなる(=変わる)ことはできないと感じていたのか。
研修生には、何になってほしかったのか。
屋上に場面が移って
梶が、猫はやりすぎだ、みたいなことを言っていて、家に帰るし父の酒も心配してたし家族のことが大事なんだなと思った。
でもそこで、辺見に
青臭いな~
って言われる梶はやっぱり悪になりきれてないというか、元々の根が腐ってないのかなとか思った。
包丁を持っている手が震えていて
もうどこにも戻れない
って言うと、辺見が
俺のとこに戻ればいい
とか言うんだよね~。うわ~~~、気持ちがぐっちゃぐちゃ。どこまでだったら、まだ引き返せたんだろうか。
辺見が、友達はお前しかいないとか2000万をヨックモックのお菓子箱に入れて持ってて謝って収めた(若林を殴ったこと)とか。
このあたりで、カウンターで初めてお寿司食べて泣いたという話が出る。かわいい~。(オタク)(それどころではない)
梶の話し方は辺見に似てたのか。特に最初の研修生の場面とかは。辺見から自分に投げかけられていた感じを、また自分が研修生に。
辺見が
こいつ頑張ってたからさ~
って梶を目にかけていたのも、それだから研修生に成果出させてやりたい気持ちが強かったのも、全部辺見からの影響なのかな。
でも、真鍋が倒れて死にそうなところを見て
耐えられなくて、怒りで包丁を刺してた。
青木がまじで一番やばいと思った。
ここまでくると梶かわいそうとか思うんだけどいいところで辺見が、
お前だって騙して金とって何人の老人を自殺に追いやったか
って言ったから、あ、そうか。うわあ〜。って梶に対しての感情がぐちゃぐちゃになった。
望月さん救われてよかった。(120万取ってるけど)(降りただけで助かった描写ないけど)
ここで青木が
行っても地獄 戻っても地獄
って言ったの
(ここ皆さん、行くも戻るもって書いてたんだけど私が行った日だけ?それとも私の記憶違い?)
今朝のインライでじゃんけんのときに、
勝っても地獄 負けても地獄…んな訳ないか。
って言ってたの思い出して、ここで出てくる言葉だったんかって思った。
まじで撃ちまくってて青木やばいやつじゃん。よく考えれば大体の人間はやばい。
撃つ音とカラスにめちゃビビった。
さいごに、ざまあみろ!
と言われた梶の表情は、確かに苦笑い、どうしようもないような表情でした。でも銃声がなくて。
そして場面は家に変わり、
姉と父母のところに戻ってきたのが、まだ帰ってきてなかった息子だったのか、梶だったのか。
見てる時の直感だと私は、梶が帰って来たんだと思った。
あの姉の声のかけ方は梶に対してのような気がした。来るのを予想してなかった、カレーが余ってる丁度いいところに来た、みたいな。
でも息子が帰ってきてないのそれはそれで怖いし、もう辺見はいないからそんなはずはって思ったり。観劇後、冷静になって思ったんですけど、いやあの状況で梶は家に帰れなくない?もう家に帰らないんじゃないか、とも思ったよね。うわぁ~~~~。とにかく良かった~。面白かった~。空っぽにして見れたところもあれば、いろんなことを考えながら見れたところもあった。
あと、ところどころ笑えるようなやりとりがあったのだけど、場所によっては全然笑えなくて。でも周りの人は笑ってたり。
一番笑ったのはBBQのところで、辺見が青木に
お前そんなもん(銃)ポーチに入れてコストコではしゃいでたのかよ
と言ったところでした。
カテコ、1回目は八嶋さんの仲良さそうにでてきて、2回目はジャンプしながら出てきた丸ちゃん。斜めになってる席の方も見てお辞儀してて素敵だった。
ここで私は一旦ハッピーな気持ちになるんだけど(丸ちゃんが可愛いから)劇場を出た瞬間、鬱…パラダイスとは…ってなりました。
最後陽気な音楽で終わったのは、感情混ざりすぎて無になった。
~時系列バラバラ考察タイム~
梶が"じゃん"って良く語尾につけてたの、威圧感を感じさせないようにという意図だったのかもしれないけど(わからないことあったら聞いてとか言ってたし)一周回ってめちゃ怖かった。
最初の殴ったり蹴ったりしてるところで、隣のお姉さん手で顔覆ってたもん。わかる。衝撃だよね。
怒鳴られなれてない世代なので最初のめちゃ声荒げてるところでビビった。
喜劇だとするなら、最終的に梶が死んでしまったほうが喜劇なのかもしれない。
あの状況下で生かされてしまうのなら、悲劇な気がしてしまう。喜劇と悲劇の違いがわからなくなってきた。
梶の人間的な矛盾に共感してしまったよ。
生まれたときから罰を受けている、に心を打たれた梶の復讐はまるでやらなければいけないことだと思っているように感じた。
所々言葉が遮られてたり、一方的に喋っているような、会話が噛み合ってないようなところがあった気がして、何ともない会話がちょくちょくあってそういうところに日常とか人間味を感じた。
私まだ高二だからあんな家族の形ではないし、働いてもないし、詐欺とか全然身近ではないんだけど、めちゃくちゃ日常というかすぐそば起きてる感じ、起きかねない感じがした。身近な話だと思った。
ちょっと待って、感想を読んできたけど
子どもの頃から腐ったニラのにおいを
俺も含めた人間のにおいだよ!
って言った梶は幼少期から人間、世間を好きになれなかった、復讐を連呼していた(連呼はしてなかったかも)のもそうだけど、でもそれでも狂いきれなかった捨てきれなかったの性分が無敵の人と対峙してるのかと思った。
私はラスト、梶が生きてると思ったんだけど、梶からしたらあの場で死んだほうが救いなのか…?
確かに辺見を殺して、梶も死ぬつもりだったし…。それこそ本当に生きても地獄か…この場合死んでも地獄なのかな…?
疲れちゃったなら死んだほうがいいんですか?パラダイスってなんですか?
家族が愛したり怒ったりを繰り返しているのがなんか家族だなという感じで。
最後の陽気な音楽、それでも日々は続いていくって感じがしたよ。
なんか元々人間全体を信じていないって言ってた辺見がでも唯一信じていた、可愛がってた?愛情があった?のが梶な訳でこれは最終的に辺見も梶もつらい、苦しくてああ~、もしかしてやっぱり死んだほうが救いなんですか?
辺見は梶に戻ってきてほしくて猫殺めたわけだけど
思ったより梶が怒っていて、それは猫が殺された怒りではなくて、自分のせいで家族が悲しんでしまったことに対してで。
辺見は梶に戻ってきてほしくてそれと同時に守りたくて、
真鍋は梶をどうしても救いたくて、ある意味板挟み、あるいは梶次第でこの二人は今まで通りにいられた、幸せでいられたのかなと思った。
真鍋は確実に梶を慕っていて、一瞬だったけど幸せだった。って言っててうわあああとなる、今思うと。
年収一億からたった300万円取るだけ。
それは一万円から300円引くことと同じことなのか?取られる額の大きさも違うけど残った額の大きさも違う。
辺見は大事なとき、梶という偽名ではなくて浩一と呼び捨てにしていた…。
劇中の人々が辿り着けなかったところ、存在したかどうかはわからない、パンフレットのインタビューの毎熊さんの言葉を借りると曖昧な理想郷がパラダイスだったんじゃないかって思った。
もしくは、集団の中でもがきながら一瞬でも幸福を掴んだ瞬間、一刹那がパラダイスだったのかな~とか。
確かに、謝る場面がいくつか出てきて謝れば済むのに謝れない人の愚かなプライドとか。
後から考えると、あの場で梶が死んでいなかったとしても青木の改造銃で暴発とか(吹っ飛ぶかもと劇中に言っていた)
めっちゃ撃ちまくってたから弾切れとか、でも、だとしても下が燃えている古びた外階段を降りて命からがら逃げられるのか?とも思うし、仮にそれで生き残ったとしても家族のもとに帰るのかな?と思った。
でも私はあの姉の声のかけ方が息子に対してとは思えなかったんだよな~。(ここだけは譲れない)
それでも冷静に考えると、梶には生きる道なんか無いか…。
でもそんなパラダイスから逃れられないのは、私たちが自らそう選んでるからなのか。梶がさいごには救われてたらいいと私は思ってしまうよ。
後からじわじわくるな、つらさとか苦しみやるせなさが。
人生がパラダイス、あるいはパラダイスがなければ人生は成り立たない。こんな解釈に帰結しました。
それでも丸ちゃんは細くて、可憐!!って思ってたよ。
辺見さんは梶のことを青くさいって知っててだから独立しようとしてる噂を伝えたときにわざとお前の家族知ってるぞと言っておいて(きっと家族に何かあると思うと変な真似をしないと思ったから)
あえてだったのかはわかんないけど、声に出してない怒りというか。登場人物がみんな誰かに怒り、憤りを感じてた。
後に梶は救われたのかなとか、梶が救われることは許されないのかなとか考えてしまった。
本当に色んな考え方、受け取り方ができて正解はないんだろうな~…
なんか、はあ、人生人生って感じだったよね。
この話は一生心に残るわ。傷とも違うけど、忘れることないと思う。
以上です。受験頑張ります。